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30代の転職を成功させる方法は何だろう?
こんなお悩みを解決します。
わたし自身、過去に3度転職してまして、そのうち2度は30歳を超えてからの転職です。
未経験業界への転職も含んでおり、年収のUp&Downも経験しました。
本記事は、複数回の転職を経験した中で掴んだ「30代転職を成功させる方法」を伝える内容になっています。
少し長い記事になりますが、6~7分ぐらいで読み終わると思いますので、ぜひお付き合いくださいm(_ _)m
データで30代転職の実態を知ろう

30代の転職は厳しいとよく言われますが、実際はどうなのか?
データを見ていきます。
転職というゲームに勝つには、まずは事実を把握することです。
30代は53%の人が転職経験あり
少し古いですが、リクナビNEXTが公表している転職回数を年代別にまとめたデータです。

30代会社員のうち、2人に1人は転職経験があるようですね。
これ、イメージより多くないですかね?
と思ったんですが、わたしがいる部署の30代は約7割が転職組でした。
安定というイメージがある銀行ですらそんな状況なので、全体的に転職者が多いのも納得です。(銀行=安定ってもはや幻想ですけどね)
30代の転職で年収が上がった人は40%超
厚生労働省が公表している転職者の賃金変動状況です。

30代を細かく見ると以下の通り。
【30〜34歳】
上昇→41.9%
変わらない → 26.9%
下落 → 29.8%
【35〜39歳】
上昇 → 48.2%
変わらない → 24.1%
下落 → 26.2%
30代の転職は年収が上がる人たちが多数派であることが分かります。
年収が下がる人の方が上がる人よりも多いというイメージがありますが、事実は真逆という訳です。
30代転職の理由は主にこの3つ
厚生労働省が公表している退職理由をまとめた表です。

30代で多い退職理由は「給料等収入が少なかった」「会社の将来が不安だった」「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」です。
給料が少ない
30代前半で特に数値が高くなっています。
30代前半は長い会社員人生でも昇給等で給料が1番上がり易い時期なので、そのタイミングで給料が上がらないことに対して不満が大きいのかもしれません。
個人的にも30代前半で給料を上げるための転職にトライしてるのでまさにこのデータ通りです。
会社の将来が不安
30代になると会社の全体像がかなりクリアに見えてきます。
同時に課題も見えてくるので、見切って辞める感じかと。
個人的にも30代前半で金融リテール営業から去る決断をしてますので、少し事情が異なるかもですが、将来に対する不安という意味ではまさに同じですね。
労働時間・休日などの条件が悪い
さもありなんという感じですが、割合そのものは20代から低下しています。
「慣れ」なんですかね。
少し話はずれますが、実は35~39歳の退職理由では「定年・契約期間の満了」がトップです。
恐らくこれは就職氷河期に就職活動がぶつかった世代だと思われますが、ここの世代だけ突出しているのを見るとなんとも悲しくなりますね・・・
企業が30代の転職者に求めるものは2つ

企業が求めているものを理解することは転職において必須です。
企業が求めているものを理解する
=正しい自己アピールを準備できる(企業研究にもなる)
といった構図でして、良いことしかないですよね。
転職でよくありがちなのが、「自分の強みをアピールすることに固執する」ことでして、実績がある人ほど陥り易いです。
何でもそうですが、まず相手があって、その次に自分がどうするかを考えることが目的地にたどり着く近道です。
課題を見つけて対策を打てる力=即戦力
30代の中途採用者に対して通常、研修はありません。
ですので、入社した時点で会社員として自立していることが求められます。
会社員としての自立とは、自分で課題を洗い出し、解決に向けて自ら行動できるということです。
例えば個人を対象にした営業職で考えたとき、「営業を頑張りました、結果を出しました」とただ言うのではなく、「どんな属性(性別、年齢、職業など)の個人に何をどうやって提案して取引をしてきたのか」を語ること、ストーリーが重要です。
結果だけをいくらアピールしても、企業からすると「果たしてその結果はウチの会社でも出せるものなのか・・・」という疑問は残ったままです。
見方を変えると、ストーリーがしっかりしたものであれば、実績の程度はあまり関係ありません。(優れた実績があるに越したことはないですが)
再現性がありそうかどうかが重要です。
周囲を巻き込める力=マネジメント能力
企業が30代転職者に求めているのは、単に管理職としての役職経験があることではありません。
30代に求められているのは、目の前の業務に対して自分でどうすべきかを考えた後、自分ひとりで完結せずに周囲を巻き込んでいくことができるかどうか、です。
ですので、管理職の肩書きを持った経験がなくても、マネジメント能力をアピールすることは可能です。
仕事内容や経験業務を振り返ってみて、マネジメント経験としてアピールできそうなものを書き出してみてください。
参考までにわたしのケースを以下に挙げておきます。
わたし自身、未だ管理職の経験はありませんが、30代で2度転職に成功してまして、実際にマネジメント経験として使った材料です。
実績は保証済みなので、あとはご自身の業務経験にあてはめて微修正してもらえたらと思います。
- 新入社員の指導
- 営業戦略の立案(顧客層の選定、担当の割振)
- 後輩社員に対する初回訪問、具体的な提案、クロージングの指導
30代の転職を成功させるために必要なことは3つ

30代の転職を成功させるためには、この3つが非常に重要です。
・業務経験の棚卸し
・転職エージェントの有効活用
順番に見ていきます。
Step1:転職の目的と優先順位を明確にする
30代転職で最も重要なステップです。
具体的にはお金、スキルアップ、働きやすさの中からどれを優先するかになります。
ココを明確にしないまま転職した場合、転職してから「あれ?何か違うな・・・」となりかねないので曖昧にしないことをオススメします。
以下の記事は「30代の転職において成功とは何か?」について、わたし個人の想いを書いています。少し個人的な想いが強い内容かもですが、わたしは30代の転職で後悔した過去があり、参考になればと思います。
関連記事【30代】転職における成功とは
Step2:業務経験の中から自分の強みを見つける
次に自分がこれまでに経験してきた仕事を紙に書き出していきましょう。(スマホのメモでもOKです)
ポイントは、どんな小さな仕事でも一旦、文字にすることです。
その中に、必ず自分の強み・得意なことがある筈です。
「強みなんてないし・・・」
強みと聞くと、多くの人が考えることを止めてしまいがちですが、強みは必ずあります。
そして、強みは自分の経験の中にあります。
これらを思い出してください。
このStepは時間がかかると思います。
わたし自身も随分苦労しました。
ただ、30代の転職活動が成功するか否かを左右する重要なステップです。
自分の強みを理解せずに、用意せずに30代の転職活動を進めるのは負けに行くようなものです。
時間をかけてでも自分の強みを見つけ出してください。
Step3:エージェントを有効活用する
転職活動を自分だけの力で進めるのはオススメしません。
Step1、2を進めるだけでもかなりの時間と労力を費やす筈です。
その結果、良い求人を探す余裕・時間がないとなっては本末転倒なので、使えるモノは使いましょう。
転職活動に限らないですが、最大限のパフォーマンスを発揮するために、代行できることは他の人に任せる方が吉です。
エージェントによって得意・不得意なことがあるので、そこは使い分けることをオススメします。(エージェントの比較記事は後日書きます)
30代の転職が失敗する原因4つ

失敗には明確に理由があります。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
引用: プロ野球元監督の野村克也氏の「負けに不思議の負けなし」より
転職もまさにその通りだと思ってまして、転職がなかなか成功しない人の多くは、圧倒的に準備が不足していると感じています。
勘違いしてはいけないのは、能力が不足していたのではなく、準備が不足していたということ。
正しい準備が出来れば転職は必ず成功します。
業務経験の棚卸しが不十分
自分の強みが準備できていないということです。
戦いの前から負けが決まってるようなものなので、業務経験の棚卸しは必ず行いましょう!
やる気だけをアピール
根拠のない自信は自分のやる気を高めるためには有効ですが、他人には通用しません。
自分ならその仕事ができるとする根拠、材料は必ず準備しましょう。
転職の目的、優先順位が曖昧
ここが曖昧だと、転職した後に後悔する可能性がわりと高いです。
わたしの話ですが、1社目から2社目に転職したときに、やりがいを求めて年収ダウンを受け入れたことがあります。
そのときは外資への転職だったこともあり、「結果を出せば年収は上がる筈」と思って一旦年収ダウンを受け入れ、実際に年収を150万円下げて転職しました。
最初の2、3ヵ月は特別問題なかったのですが、半年経つと生活が目に見えて苦しくなり、気付きました。お金って大事だな、と。
(その後、外資系らしく日本からの撤退が決まり、下がった年収のまま転職市場に放り出されることになりました。年収が下がる怖さはここにあります。このあたりの話はいずれ詳しく書きますが、年収ダウンの転職はよくよく考えてください)
退職してから求人を探す
退職してからの転職活動はオススメしません。
貯金があったとしても、収入ゼロは人を焦らせます。
安易な転職を決断しかねないので、必ず今の会社に勤めながら転職活動をしましょう。
30代で未経験業界に転職する方法は近隣業界から探すこと!

30代でも未経験の業界に転職はできます。
問題は、戦略なく未経験業界に転職すると、業務経験がないので年収が下がり易いということです。
なので、戦略は必須です。
近隣業界の中から平均年収の高い業界を探す
現在所属している業界の周辺に平均年収が高い業界がないか探してみてください。
例えば以下のイメージです。
金融→コンサルティング
証券→アセットマネジメント
医薬品卸→医薬品メーカー
医療機器卸→医療機器メーカー
近隣業界から探すメリットは、まったく知らない業界ではないので、最低限の知識は持っていることをアピールし易い点です。
例えば金融は銀行、証券、保険、(金融ではないですが)コンサル間での転職が多いので、金融の世界の中で年収を最低限維持しながら業界を変えるチャンスは豊富です。
30代で余りにも遠い業界への転職は難しいのが現実
可能性がゼロという訳ではないですが、30代で遠い業界へ転職するのはかなりハードルが高いですね。
転職できたとしても、キャッチアップに最低数年は必要になるので、年収を上げるチャンス(昇給や、更に転職する)はわりと先の話になります。
30代の転職が成功するか否かは戦略次第!

見出しの通りです。
データを見てお分かりいただいた通り、30代の転職が他の世代と比べて特別に難しいということはありません。
ただ、昔からのイメージが強いのか、
「30代だと転職は難しいよな。もっと条件の良い会社で働きたいけどリスクが高いし我慢しよう」
こんな考えの方をよく見ます。
個人的に、これほど勿体ない思考はないなと感じてまして、企業が30代転職者に求めているものを正しく理解して、正しく準備させすれば何も難しいことはありません。(「転職は縁だ」とも言うので、世代に限らず「縁があるかどうか」という難しさはありますが)
わたしはこれまでに3度、30代に入ってからは2度転職してまして、30代の転職は特別難しい訳ではないことを身をもって経験しています。
誤った情報・イメージを元に30代転職を諦める方が1人でも減るよう、これからも読んでいただける方が有益だと感じていただけるような情報を発信していきたいと思っています。
まとめ:30代の転職を成功させる方法

このあたりでまとめます。
・企業が30代転職者に求めているのは「課題を見つけて対策を打てる力」「周囲を巻き込める力」の2つ
・30代転職を成功させるには「目的と優先順位を明確にすること」「経験業務の中から自分の強みを見つけること」「エージェントを有効活用すること」
・30代の転職が失敗するには明確に理由がある(準備させすれば解決する話)
・30代で未経験の業界に転職するときは近隣業界から探す
以上です。
この記事にあわせて、ぜひ以下の記事をお読みいただければと思います。
具体的な方法論ではなく精神論がベースの内容ですが、個人的には本記事よりも伝えたい内容だったりします。
比較的主張が強めの記事ですが、過去、転職で痛い思いをしたからこその内容でして、この記事をお読みの方には同じ轍を踏んで欲しくないとの思いで書いています。
ぜひお読みください。